道の駅「三滝堂」などで販売され「おいしい!」と評判の「チーズ工房狼河原(おいのがわら)」のチーズ。
その作り手である、佐藤牧場の佐藤昌慎さんをご紹介します。
佐藤さんは東和町米川の北上沢地区で、ホルスタイン種(レッドという赤茶色のホルスタインも数頭!)とブラウンスイス種の牛を育て、その生乳を使いチーズを作っています。
牧場を営む両親のもとに生まれ、一度は就職のため関東へ出ましたが、5年ほど前にUターンしました。
「都会と比べてギャップは特にないかな…、少し不便かなというくらいです。街灯が少ないから夜は真っ暗とか(笑)。でも道路が広くて信号も少ないので佐沼(登米市の中心部)へも行きやすいし、石巻や気仙沼へ行くのにもそんなに時間がかかりません。自然豊かなベッドタウンのような場所に東和町がなったらいいなと思います。」
Uターンした当初は両親と牧場の仕事をしていましたが、他にも何かチャレンジしたい!と思い、2年前からチーズ作りを始めました。
「酪農を生業としていた父親が趣味でチーズを作っていたんです。それを手伝ったのがきっかけですね。面白そうだしチーズも好きだしやってみるか!と。」
新しい世界に飛び込む勇気に溢れている人のように思われるかもしれませんが、自分のことは「慎重派」だと思っているそうです。
「良くも悪くも考えるのが先にきてしまうタイプです。何か思いついても、その後どうするかをしっかり考えないと気持ちが乗ってこないんです。勢いで動けるタイプの人は本当にすごいなと思います。これまで自分はそんな人たちを後ろでフォローするような仕事をしてきたので、きっとそういう性分なんだと思います。」
慎重派の佐藤さんだからこそ、酪農という動物を相手にする大変な仕事を、地道に着実に続けることができているのでしょうね。
そんな佐藤さんの一日は、早朝5時から始まります。
畜舎の掃除や牛の餌やり、搾乳などをぐるりとこなします。
チーズ作りをする日は、朝の畜舎作業の後、朝9時頃から夜の7時過ぎまで工房で作業をするそうです。
「チーズは月に5~6回作っています。器具の殺菌、牛乳の運搬を経てやっとチーズ作りの工程に入るので、作業は長丁場になります。丸一日工房にこもれる日を選んで作業をしなくてはなりません。」
工房で作ったチーズのおススメの食べ方は、「海苔巻きの具」。
常温のチーズを暖かいごはんと一緒に海苔で巻いて食べるのが最高だそうです!
佐藤さんは小学生の男の子のお父さんでもあります。
朝は仕事の途中で家に戻り、息子のタカトくんの朝ご飯を準備したら仕事に戻り、学校に行く時間になると再び家に戻り、学校へ送り出してまた仕事に戻る・・・。
なかなかハードスケジュールですね。
東和町に帰ってきたのは、タカトくんが3歳の頃。
大自然の中で元気いっぱいに育っています。
「元気すぎるくらいです。まあ子どもは育つにまかせます(笑)。近所に子どもが少ないので、いろいろなイベントに参加させたりしていますね。送迎付きのイベントも結構あるので、SNSで情報収集しています。」
(インタビューの日も、タカトくんがバスに揺られプールから帰ってきました。)
将来両親がリタイアした後は、どのように仕事を続けてこうか、現在模索中だそうです。
無理をせず継続可能な経営方法を探っていきたいと考えているそうです。
「今後は、チーズの種類をもっと増やしたいし、オリジナルチーズにも挑戦したいと思っています。また、もっと専門知識を深め、熟成についての勉強もしていきたいと思っています。」
チーズ工房 狼河原
〒987-0901
登米市東和町米川北上沢136-3
TEL:080-6674-1975