宮城県東和町・ドコにでもあるマチ ココにしかないトキ

名嘉原 雅さん【沖縄料理店店主】

東和町の錦織地域には、南の島の風が吹いています。
それは東北では珍しい、沖縄料理店があるからです。
沖縄料理店「がじゅまる」店主の名嘉原雅さんをご紹介します。



名嘉原さんは沖縄県の那覇空港の近く、豊見城市出身です。
友達とサトウキビをかじりながら下校するような、のんびりとした少年時代を過ごしたそうです。

「20代で東京に出ました。やっぱり東京を見ておきたいなと思って。その時はまさか最終的に東北に住むなんて夢にも思っていませんでしたよ、本当に(笑)。東京ではずっと居酒屋などの飲食店で働いていました。その頃は接客が楽しかったのでホールを担当していることが多かったです。料理を真剣にやろうと思ったのは30才を過ぎてからですね。自分でお店もやっていました。」



その頃に妻の弥生さんと出会い、結婚。弥生さんの「故郷に戻って地域に貢献したい」という気持ちを尊重し、東和町にやってきました。

「よく、東北に来るのは勇気がいったでしょうと聞かれるのですが、皆が思うほど深く考えていないです(笑)。まあどうにかなるだろうって。なんくるないさーです。こっちでも飲食店をやりたかったので、せっかくなら故郷の沖縄料理店をやろうと思いました。沖縄でずっと食べていた味を思い出して作っています。」


東和町に越して約1年半、お店を開いて約1年。
冬の寒さや雪道の運転、タイヤの交換など初めてのことも多いと言います。

「やはり沖縄や東京に比べたら寒いですが、思っていたよりも不便がないですし、ストレスも少ないように感じます。唯一思うのは言葉ですかね。色々な集まりなどで話す機会があるのですが、年配の方と話していると聞き取れない(笑)。でも、もともと奥さんの実家ということもあり、皆さんにとても良くしてもらっていますよ。」



穏やかな人柄で地域にもすんなり溶け込んでいる名嘉原さん。
若い人たちとの交流もたくさんあるそうです。

「30代の人が周りに多くいて、楽しくやっています。僕自身お酒を飲むのが好きですし、お酒を飲んで楽しそうにしている人をみるのも大好きなんです。料理の注文が終わると一緒に飲んだりもしますね。昨日もここでわいわいやっていました(笑)」



お店の敷地内で薪割りイベントを行ったり、お祭りやマルシェにも積極的に出店しており、東和町を盛り上げることにも一役買っています。

「せっかくなんで盛り上がればいいかなと思って色々企画したり参加しています。町がどうこうよりも、自分たちが楽しいことをやろうと思っていて。とにかく自分たちが楽しいことをやってそれを子どもたちに見せて、そんな姿をいいなと思う若い人たちがどんどん出てくれば嬉しいです。子どもたちも一回は地元を離れればいいんです。その子たちが帰って来られるような町にしたいですね。」



お子さんは小学生4人。
東和町の豊かな自然と暖かな地域の人々の中ですくすく育っています。

「関東で生活していたときは、子どもが家で騒ぐと近所迷惑をとても気にしていましたが、今はどんなに暴れても関係ない。のびのび遊ばせてあげられますね。子どもたちの行事も多いので、僕ができるだけ参加するようにしています。」

妻の弥生さんは看護師として地域医療に貢献しています。

「奥さんは外に出てあれもこれもやりたい人。コミュニケーションも得意です。僕がSNSとかパソコンがまったくできないので、そういった部分も全部奥さんにやってもらってます。」



マイペースな雅さんが、シーサーのように家とお店を守る。
常に動き回っていたい弥生さんが、積極的に外に出る。
お互いが好きなことをしながら、とてもバランスのよいお二人です。

「先日両親と親戚が沖縄から遊びに来たんですけど、こんなところでお店ができるんだ!?と驚いていました(笑)。でも、僕が楽しそうに暮らしているのが伝わったようで、安心して帰って行きました。」



名嘉原さんはこれから先も、細く、長く、ゆるく、お店を続けていきたいと言います。
沖縄の風を感じたいときは、「がじゅまる」のある東和町へぜひお越しください。


沖縄料理 がじゅまる
〒987-0903登米市東和町錦織字山谷9
TEL:090-8294-6978
FB:https://www.facebook.com/gajyumaru2018/